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牛乳は有害?

 長い間、更新をサボり、久々に更新したと思ったら、以前書いたテーマの焼き直し……。でも、以前に書いたのは出来が悪かったと自分でも思うので、書き直させて下さい……。
 以前から書きたかったネタって、これなんです……。これほど長い間、更新をサボっておきながら、テーマが他に思いつかない……。思いついたら、それなりには書けるとは思うんだけど……創造力に乏しい私……。

 「牛乳有害論」を御存知でしょうか?。昔から「完全栄養食」などと言われてきた牛乳を真っ向から否定する話ですね。
 彼らの言い分をまとめると「乳育期を過ぎても乳を飲むのは人間だけだ」「牛乳は牛の子供を育てるための組成(ホルモンや免疫物質など)になっているのでヒトには向かない」「日本人は乳を消化する酵素を持っていないから、乳を飲むべきではない」「「牛乳のカルシウムを摂っても骨を強化できず、むしろ骨粗鬆症を招く」「乳房から直接飲むのとは違って、酸素と触れた脂肪が過酸化脂質になっている」「牛を病気にしないために薬物が大量投与されているので、牛乳は汚染されている」といったところでしょうか。

 確かに、大人になっても乳を飲むのは人間だけだけど、それは理由になるのでしょうか・・・・。乳離れをするのは何故でしょう?。言うまでもなく、発達してくると、水分量の多い乳だけでは栄養も不足するという理由もあるけど、いつまでも乳に頼ると、母親への負担が大き過ぎるからではないでしょうか?。そして、それは母親に完全依存することだから「母親が死んでしまったら何を摂取すれば良いのか?」ということになります。母親への負担を避けるためでもあるし、乳離れをする個体のためでもあるけど、それは「飲むべきではない」という理屈にはなりませんね。
 他の動物は乳育期を過ぎたら乳を口にしないと言っても、肉食獣が、幼子を連れた母親を捕らえた時、「乳を飲まないように乳房を避けて食べる」ということはないと思います。
 ヒト以外の動物が乳を飲まないのは「飲むべきではない」からでも「飲まない」のでもなく「飲めない」だけで「他の動物を利用できるのは人間だけだ」と考えれば「ヒト以外の動物が飲んでいないから間違っている」というのは飛躍した論理というべきでしょう。

 「牛乳は牛の子供を育てるための組成(ホルモンや免疫物質など)になっているからヒトには向かない」という理屈も、よく分からない理屈だと思います。
 乳は血液を原料としていて「白い血液」と呼ばれるほど、血液と組成が似ています。確かに「仔牛を育てるための血液を飲んでいる」と思えば気持ち悪くもなりそうだけど、肉だって血液の塊だと思えば、それを根拠に「牛乳は飲むべきではない」という理屈には疑問が出てきます。ライオンなどの肉食獣(育乳期以降)は他の動物の生肉を食べて育ち、生きる訳ですが、その肉はライオンの子供を育てるための組成になっているはずはないからです。
 絶対に必要な酸素でさえ、体内では活性酸素という猛毒に変わります。 牛乳に限らず、ニンジンやキャベツなど、全ての食べ物は、そのまま身体を構成する訳ではありません。これは自分の身体の外にあるものは、酸素を含めて「全てのものは異物」であるという視点を欠いているとしか思えません。
 確かに牛と人間は違います。生物学上の「種属」が違う訳で、種属の違いを「特異性」と言います。
 分子量の大きな高分子化合物は種属特異性があるのですが、食物を吸収するには、分子量の小さな低分子化合物に変えなければなりません。もし、高分子化合物のまま取り込まれるとすれば、魚の肉は人間の肉の中に入り込んでも魚の肉のままですし、野菜も人間の身体の中で野菜のまま存在することになります。でも「人差し指はニンジン、中指はキャベツ、薬指は牛肉で出来ている」などということはありませんよね?。
 消化酵素によって、食べ物は低分子化合物に変えられて「栄養素」として吸収され、体内で合成されて人間の「種属特異性」を持つ高分子化合物になるからこそ、人体を作る材料となりうるのです。

 もちろん、牛乳に含まれるタンパク質は異種タンパク質であり「消化器官が発達していない乳幼児期」ではアレルギーの原因となる可能性もありますが、それが「牛乳は仔牛の飲み物であって、人間の飲み物ではない」という論拠となるには飛躍があると思います。消化器官が発達していれば問題ない訳ですし、異種タンパク質というのは、動物性・植物性を問わず、人間由来のタンパク質以外は全て異種タンパク質なのですから、異種タンパク質が問題になるなら、牛肉・豚肉・鶏肉・魚肉、大豆など、タンパク質を含む全てのタンパク質を摂ることはできなくなりすし、人肉やヒトの乳汁などの同種タンパク質を摂って生きていく訳にはいきません。何故、牛乳の異種タンパク質だけが特別視されなければならないのでしょうか?(殺菌のための加熱によるタンパク質の変性が問題にされることもありますが、通常、肉を食べる際は「焼く」「煮る」などの加熱を行っており、そこでもタンパク質の変性は起こります。牛乳の加熱殺菌によるタンパク質変性だけが問題になる理由はないと思います)。

 「日本人は乳を消化する酵素を持っていない」という話にも疑問があります。赤ちゃんが乳を飲んだ後、背中を叩いてゲップさせたりしますが、そのゲップをした時、乳の塊を吐くことがあります。この塊は乳消化酵素によって固められたものなのですが、そもそも「乳を消化する酵素」というのは、日本人、欧米人と人種を問わず、全ての哺乳類で出なくなるのではないでしょうか?。

 元々、チーズは仔牛の第4胃袋から分泌される凝乳酵素(乳消化酵素)「レンネット」を加えて作られていました(現在は仔牛由来のものではなく、代用品が用いられるケースが多いようです)。乳を固めるために凝乳酵素(乳消化酵素)を加えるのです。なぜ凝乳酵素(乳消化酵素)が乳を固めるのかというと、ゆっくり時間をかけて消化・吸収するためです(チーズは食べる前から消化されている食べ物という訳です)。。
 ここで皮肉にも「牛乳有害論者」が言う「乳育期を過ぎても乳を飲むのはヒトだけだ」という話が出てきます。牛が凝乳酵素(乳消化酵素)を分泌するのは乳育期だけで、成牛が凝乳酵素(乳消化酵素)を分泌することはありません。人間でも乳児期には凝乳酵素(乳消化酵素)が分泌されるのですが、やはり大人になると分泌されなくなります。日本人は分泌されなくなるけれども、欧米人は大人になっても凝乳酵素(乳消化酵素)が分泌されるというのでしょうか?。
 大人になっても、牛乳に含まれるタンパク質の一種「カゼイン」は胃酸によって凝集しますが、これは凝乳酵素(乳消化酵素)による凝集とは似て非なるものです。
 凝乳酵素(乳消化酵素)によって凝集したカゼインは、カゼインそのものが変性・分解して不可逆的な変化(元に戻らない変化)を起こしたものであるのに対し、酸によって凝集する酸カゼインは、言わば、ただ単に集まって固まっているだけの可逆的状態です。表現は適切ではありませんが、分かりやすく説明すれば、凝乳酵素(乳消化酵素)によって凝集したカゼインは小麦粉を練って加熱し、団子になった状態(小麦粉の状態に戻りませんね)。酸カゼインは磁石で引っ付いているだけで、磁石がなくなれば元に戻るような状態です(再度断っておきますが、分かりやすくするための説明であって、適切な説明ではありません)。大人になれば凝乳酵素(乳消化酵素)は出なくなるのです。

 でも、牛乳有害論者が言う「乳消化酵素」というのは凝乳酵素を意味していないようです。牛乳有害本には「欧米人は乳を大量に飲めるが、日本人は少し飲んだだけで、お腹がゴロゴロし、下痢を起こす。これを乳糖不耐症という」などと書かれているからです。どうやら、乳糖分解酵素「ラクターゼ」を「乳分解酵素」としているようです(「乳消化酵素」と書かず、最初から「乳糖分解酵素」と書かれている本も少なからずあります)。
 確かに、日本人は乳糖分解酵素の分泌量は少なく、欧米人の方が乳糖分解酵素の分泌量が多い人が多いのです。これは今から約7000年前、ロシアの南にあるカフカス地方で乳糖分解酵素を多く分泌できる突然変異が起き(カフカスの突然変異)、その遺伝子を引き継いだ人たちが中東、インド、ヨーロッパに広がったためと説明されているようです。

 分解しにくい「乳糖」は人体には異物なのですが、乳糖不耐症の人でも、牛乳を摂り続けていると、適応酵素(誘導酵素)であるラクターゼ(乳糖分解酵素)の活性が上昇して耐性ができますし(数ヶ月かかると考えて下さい)、乳糖は腸内に棲む善玉菌のエサになるので、善玉菌が増えて乳糖を処理できる環境が整います。
 乳糖が小腸で分解されてしまったら、大腸に棲むビフィズス菌をはじめとする善玉菌のエサにはなりません。人体で分解できないからこそ、大腸に届き、エサになりうるのです。つまり「乳糖は消化しにくいからヒトには合わない」のではなく「消化されにくい」ことは、間接的に人間にとって有益なことなのです。オリゴ糖がビフィズス菌をはじめとする善玉菌を増やすというのも同じ理由です。オリゴ糖は分解されにくく、大腸に届くからビフィズス菌をはじめとする善玉菌を増やすのです(「分解されにくい=異物」なので、オリゴ糖も摂り過ぎると下痢を起こします。乳糖を摂ると下痢を起こすのと同じ原理です)。
 牛乳を飲むことで起こる下痢については「冷刺激原因説」もありますが、そもそも、旅行先で、普段と飲む水が変わっただけで、お腹を壊すことがあるのです。水でさえ、そうなのですから、普段、牛乳を飲まない人が、水より遥かに組成が複雑な牛乳を飲んで下痢することがあるのは不思議でも何でもありません。先に書いたように、常飲していれば、ラクターゼ活性が上昇したり、腸内細菌叢が変化して、乳糖を処理できる環境が整えば、何ともなくなるのです。

 ここで疑問なのは「牛乳は腸内の悪玉菌を増やす」という人がいるということです。私は、これについての根拠が書かれているのを見たことがないのですが、その根拠は動物性タンパク質を含んでいるからかも知れません。そうだとすると、牛乳以上に動物性タンパク質を含むものは山ほどあるのに、ビフィズス菌を始めとする善玉菌を増やす乳糖を含んでいる牛乳に対して「動物性タンパク質を含むから」という理由だけで「悪玉菌を増やす」というのは筋が通らないでしょう。他に根拠があるのなら、ただ「悪玉菌を増やす」と言わずに根拠を明確にすべきでしょう。
 ビフィズス菌が善玉菌の代表格として扱われるのは「タンパク質から腐敗産物を作らないこと」「ガスの産生が少ないこと」「腸内を酸性に傾け、病原菌や腐敗菌の増殖を抑える」「菌体成分が免疫を活性化する」「ビタミンB1、B2、B6、B12、ビオチン、ニコチン酸、葉酸を産生する」といった点にあります。腐敗も発酵もガスが伴いますのでビフィズス菌と言えどもガスの産生はゼロではないのですが、ビフィズス菌が乳糖を分解して産生されるのは無臭の水素ガスだそうです。「牛乳は腸内の悪玉菌を増やす」という根拠は一体何なのでしょうか?。
 ちなみに「医学的」には「ガスが多い」という人でも無臭であれば問題はないそうです。

 次に、カルシウムの問題ですが、牛乳有害論者によって、主張内容がやや異なっています。「牛乳を飲むと血中カルシウム濃度が急激に上がるので、身体はカルシウムを排出しようとし、カルシウムの排出を促進するために骨粗鬆症へのリスクを高める」「牛乳に含まれるリンによってカルシウムが流出する」「牛乳に含まれるリンはカルシウムの吸収を阻害する」「統計的に、乳製品を多く摂っている欧米人の骨折率は日本人より高く、これは牛乳のカルシウムが骨密度の上昇に関与していない証拠である」などです。
 まず「血中カルシウム濃度が急激に上がると、身体はカルシウム排出を促進するので骨粗鬆症へのリスクを高める」という説についてですが、信頼できるデータは無いようで、この説は、データに基づいたものというより「日本人より乳製品を多く摂っている欧米人の方が骨折率が高い」という事実を説明するための説の1つと考えるのが妥当でしょう。
 ということは「日本人より乳製品を多く摂っている欧米人の方が骨折率が高いという事実は何を示しているのか」という事実の読み方次第で、この説は崩れるということになります。

 骨は重力や衝撃によって強化されます。重力のない宇宙では、骨を強く保つ必要が低下するので、いくらカルシウムを摂っても骨密度は低くなります。また、水泳選手よりバスケットボールやバレーボール選手の方が骨密度は高いのです。水中では月面と同じくらいの重力(地球の約1/6)しかないので、宇宙飛行士の例のように骨密度が低くなるのに対し、バレーボールやバスケットボールでは、ジャンプによって「マイクロクラック」と呼ばれる微細な骨折を繰り返すことによって、骨密度が高くなるのです(骨折して治癒した部分は、その周囲より強くなる)。
 「日本人より欧米人の方が骨折率が高い」という話の基になることが多いのは「日本人より欧米人の方が大腿骨頸の骨折が多い」というデータですが、これは日本の畳文化が関係していると思われます(肉食が多いと、タンパク質によって血液が酸性化するため、中和のために骨中のカルシウムが利用されて骨粗鬆症が進行するとする考え方もあるようなので、欧米人の肉食文化が問題である可能性もあるかも知れません)。
 欧米人が椅子に座った状態から立ち上がるケースが殆どなのに対し、日本人には床・畳に座る文化、正座や胡坐の習慣があるので、大腿骨頸が強化されているはずです(「布団の上げ下ろしが大腿骨頸を強化している」という人もいますが、それ以前に立ち上がる行為だけでも骨密度上昇に一役買っていることは想像に難くありません)。 宇宙飛行士の例でも分かるように、骨を強くするには、骨に重力が掛かる方が良いのです。
 日本人の骨折率が低いのは「大豆イソフラボンの摂取量が多いからだ」という説もありますが、現在、日本人が、それほど大豆を摂っているとは私には思えません。イソフラボンには女性ホルモン様の働きがあるので、本当に大豆イソフラボンの摂取量が多いことが日本人の骨折率の低さに関与しているとするなら、女性ホルモンの分泌量低下が引き起こす「更年期障害」の発生率も低くなるはずですが、「日本人女性は諸外国女性に比べて更年期障害の発生率が低い」とは寡聞にも聞きません……。

 骨は固いものなので、カルシウムの塊、不変の固形物のように思われがちですが、骨はカルシウムの塊ではなく、主にコラーゲンとカルシウム(リン酸カルシウムなど)によって構成されており、よく鉄筋コンクリートに例えられます。コラーゲンが鉄筋、カルシウムがコンクリートのような役割をしているのです。
 鉄筋コンクリートと言っても、骨が不変の固形物、無機物だったら人間は大きく成長することはできないので、骨は常に代謝されていて、2~5年で全身の骨は新しく生まれ変わります。骨折率には、カルシウムの摂取量だけではなく、先に挙げた生活習慣や骨代謝も関係しているのです。
 骨代謝には、骨を壊す「破骨細胞」と、骨をつくる「骨芽細胞」が関わっており、この2種類の細胞によって全身の骨が新しく生まれ変わります。骨折率はカルシウムの摂取量だけではなく、骨を壊す破骨細胞の活性率と骨芽細胞の活性率のバランスによって大きく異なるのです。更年期以降の女性の骨密度が低くなるのは、そのためです。
 男性ホルモンには骨をつくる骨芽細胞の活性を高め、女性ホルモンには骨を壊す破骨細胞の働きを抑える働きがあります。男性は、女性ホルモンが少ないので、骨を壊す破骨細胞の働きを抑えにくいのですが、その分、男性ホルモンによって骨をつくる骨芽細胞の働きを高めることによって骨密度を保ち、女性は、男性ホルモンが少ないので骨をつくる骨芽細胞の活性は低いのですが、その分、女性ホルモンによって、骨を壊す破骨細胞の活性を抑えることによって骨密度を保っているのです。ところが、女性の場合、更年期以降、女性ホルモンの分泌量が低下すると、骨を壊す破骨細胞の活性率が高まってしまい、カルシウムを摂っても骨密度が下がりやすいのです。「カルシウムを摂ったから骨折率が低下する」とは言えない1つの理由です(骨代謝マーカーを調べることで骨代謝を調べることができます)。

 また、先に書いた通り、骨はカルシウムだけで出来ているのではなく、カルシウムとコラーゲンの鉄筋コンクリート構造によって出来ているのですが、骨密度測定で判定できるのはカルシウムの量だけです。でも、骨折しやすいかどうかを左右するのは「骨の密度」ではなく「骨の質」です。
 「重量」という視点で見ると、骨の約80%はカルシウムなどのミネラルですが「体積」という視点で見ると、カルシウムなどのミネラルは約50%、コラーゲンなどのタンパク質は約50%と、ほとんど違いがありません。タンパク質(有機質)より、石などの親戚であるミネラル(無機質)の方が重いので、体積比が同程度でも重量比では重くなるのです。
 鉄筋コンクリートの壁は、コンクリートを流し込んでから鉄筋を埋めるのではありません。鉄筋の骨組みの上にコンクリートを流し込むのです。これは骨の生育過程も同じで、コラーゲン製の骨組みが出来てから、そこにカルシウムが付着していきます。
 骨の芯とも言える、このコラーゲンは、肌のコラーゲンと全く同じなのですが、肌と骨では強度が全く違います。この違いを決めるのは、コラーゲン分子をつなぐ「架橋」と呼ばれる構造です。未熟架橋、成熟架橋などの「善玉架橋」が多ければ良い骨質、老化架橋などの「悪玉架橋」が多ければ悪い骨質になる訳です。

 活性酸素や血中ホモシステイン濃度が高い場合は架橋の質が悪くなります(ホモシステインは動脈硬化との関係も疑われており、血中ホモシステイン濃度が低い場合、コレステロール値が高くても動脈硬化になりにくいとのデータもあります)。
 ビタミンB6、B12、葉酸が不足すると、架橋の質を悪くする血中ホモシステイン濃度が高くなりますし、よく知られたところでは(ホモシステインとは無関係に)ビタミンDが不足するとカルシウムの吸収が悪くなります(ビタミンDは腎臓でホルモンの一種「活性型ビタミンD」に変化し、腸でのカルシウム吸収を助けます)。それだけではなく、最近の研究ではビタミンDは筋肉にも作用しているのではないかと言われており、ビタミンD不足によって転倒率が上がる可能性まで出てきています。
 そもそも「カルシウムが骨を強くする」というのは一面的な見方なので、カルシウムの摂取量だけで骨折率を語ることは出来ず、牛乳によるカルシウムの摂取と骨折率を単純な相関関係で見るのは誤りと言えるでしょう。実際「牛乳摂取は骨折率を低下させる」というデータはありませんが(「牛乳摂取が骨量を増やす」というデータはあります)「牛乳摂取は骨粗鬆症を促進する」というデータもないのです。
 「牛乳は消化に悪い。消化できないものがカルシウムだけ吸収される訳がない。だから牛乳のカルシウムは吸収が悪い」という話もありますが、カルシウムが吸収されるのは小腸であり、乳糖が下痢の原因となったとしても、下痢が起こるのは大腸なので、牛乳の「消化の悪さ」がカルシウムの吸収に悪影響を及ぼすことはないと考えて良いでしょう。子供を育てる唯一の糧である乳が骨を弱くする飲み物である訳がないと考えて良いのではないでしょうか?。

 さらに「牛乳を飲むと血中カルシウム濃度が急激に高まった結果、血管にたまって動脈硬化を促進する」という主張も見られますが、これにも疑問があります。
 筋肉はカルシウムイオンによって収縮するので、心臓の筋肉でカルシウムが不足すると死んでしまうことになります。ですから、人体は骨にカルシウムを貯めることより、筋肉へのカルシウム供給を優先するので、カルシウム摂取量が少なくなると、骨中のカルシウムを大量に放出します(カルシウム摂取量が減ると血中カルシウム量が増えることをカルシウムパラドックスと言います)。どうやら、この時、カルシウムが不足すると「カルシウムが不足している」という信号(甲状腺ホルモンなど)が出るので、カルシウムを取り込もうする働きが高まり、血管にたまってしまうらしいのです(「血管の石灰化」)。
 もちろん、カルシウム摂取量が適切な時に「カルシウムが不足している」という信号が出ることはありません。「牛乳を飲むと血中カルシウム濃度が急激に高まった結果、血管にたまって動脈硬化を促進する」という主張は「適切なカルシウム摂取量による血中カルシウム量の増加」と「カルシウム欠乏による血中カルシウム量の増加」を同一に見ることによる誤りと思われます。また、先に書いた通り、動脈硬化との関連が疑われている血中ホモシステイン量が多いと、動脈硬化になりやすい可能性がある上、骨質が悪くなるので骨折しやすいことになります。ホモシステインは骨折率の高さと動脈硬化の両方を説明できる訳です。

 牛乳有害論者は「牛乳を飲んでも骨は強くならない」と言います。その通りです。先に書いた通り、宇宙飛行士が無重力の宇宙空間に滞在し続けると、いくらカルシウムを摂っても骨は弱くなります。骨を強くするのは重力と運動などによる適度な衝撃であり、そのための材料となるのがカルシウムやコラーゲンです。そして、その材料となるカルシウムの吸収、骨への沈着に必要な栄養素はビタミンDやビタミンK2、マグネシウムなどです。牛乳に限らず「カルシウムだけを摂っていれば骨は強くなる」というものではありませんし、材料だけ摂ってもダメで、その材料を活かすために必要な、栄養素や条件があるのです。
 「牛乳を飲んでも骨は強くならない」のは事実ですが、それは「カルシウムだけを摂っていても骨は強くならない」という意味であり、その事実をもって「牛乳は有害である」ということにはなりません。それは事実の読み誤りというものでしょう。骨を強くするためには「骨をつくる材料」よりも「運動」の方が大事だからです(余談ですが、軟骨を保つのも運動です)。

 次は「乳房から直接飲むならともかく、脂肪が酸素に触れて過酸化脂質になっている」という主張についてです。
 牛乳に含まれる飽和脂肪酸は常温で固まってしまうので、脂肪を破砕する「ホモジナイズ(均質化)」という過程があるのですが、これが問題にされるケースが多いようです。これは「ホモジナイズ(攪拌)によって酸素が混じり、過酸化脂質になる」という主張なのですが、実際にはホモジナイズは攪拌ではなく、密閉容器での加圧破砕のようで「攪拌による酸化の促進」は誤解と考えて良いと思います。
 ホモジナイズという過程を経ると、消化吸収が良くなる反面、急速に吸収されるが故にアレルギー原因になりやすくなるなど、問題がない訳ではないのですが、牛乳有害論で問題にされている「ホモジナイズによる酸化」の影響は少ないと考えられます。
 牛乳に含まれる脂肪が水分と分離しないのは「乳化」という作用によって水分との親和性があるためで、これによって乳脂肪は牛乳中のタンパク質に覆われます。元々、乳脂肪は、酸化しやすい「多価不飽和脂肪酸」が少なく、大豆油などに比べて酸化されにくいのですが、乳タンパクに覆われることによって、さらに酸化されにくくなっているそうです。
 「透明な容器に入った牛乳を蛍光灯から数センチの場所に置いておくと、2~4時間で酸化臭がしはじめ、12時間経つとハッキリと臭ってくる」と言った教授がいます(「透明な容器」の話であって「紙パック容器」は影響を受けません)。逆に言えば「酸化していれば酸化臭がするはずだ」と言えますが、実際に、牛乳に酸化臭を感じたことはあるでしょうか?。 某教授は「牛乳の脂肪は殺菌過程で錆びた脂になる」という主張をしているのですが、殺菌過程で酸化するなら全ての牛乳から酸化臭がしなければなりません。「酸化臭がしない程度の酸化」であるとするなら、天ぷら、炒め物、揚げ菓子などにも過酸化脂質は含まれるのに、牛乳の過酸化脂質だけを喧伝しなければならない理由があるのでしょうか?。

 薬品汚染については、日本酪農乳業協会(J-MILK)によると、搾乳牛に対する抗生物質や成長ホルモンの投与は禁止されているそうで、乳房炎などで投薬が行われる際は搾乳牛とは別に管理されるそうです。中でも、抗生物質への監視は厳しく、抗生物質が検出された生乳は廃棄されるとのことです。これが守られている限りは(守られている限りは)、大丈夫と考えて良いでしょう。

 摂取されるものが薬となるか毒となるかは量で決まります。牛乳を含め、万能の食品はありません。人体に絶対必要な酸素は活性酸素という毒になりますし、水だって摂り過ぎれば水中毒で死亡することもあります。私自身は、厚生労働省などが言うカルシウム摂取量が適切であるかどうかは分かりません。どの程度の摂取量が適切なのかは私には分かりません。
 私は「どんどん牛乳を飲むべきだ」というつもりはありません。牛乳を「完全食品」と考えて、牛乳ばかりを飲んで満腹になってしまい、鉄分が不足して「牛乳貧血」と呼ばれる状態を起こす人がいることを例に出すまでもないでしょう。ここで言いたかったことは、牛乳の有益性ではなく「牛乳有害論」の主張には疑問が多く、牛乳好きの人まで「有害だ」と思い込む必要はないということです。

 「牛乳はカルシウムとリンの比率が良くないからカルシウム摂取に適さない」とか「マグネシウムが少ないからカルシウム摂取に適さない」とか、単一の食品の完全性を問題にする主張には疑問を感じざるをえません。米には必須アミノ酸である「リジン」が少ないですが、アミノ酸バランス(アミノ酸スコア)が完全ではないからといって「主食に適さない」ということはないはずです。そもそも「食事は牛乳だけ」といった単一の食事自体が問題なのであり、他食品を摂る上での障害とならない限り、単一の食品の栄養バランスのみを見て摂取の不適を主張するのは、あまりにも偏った主張だと言えます。「牛乳は完全栄養食」という主張に対して「完全ではない」という主張は分かるのですが、牛乳有害論者は「完全」という言葉にとらわれ過ぎている気がします。
 牛乳は決して完全ではなく「牛乳は完全だから牛乳だけを摂取していれば良い」と言った人はいないと思います。私は「完全」という言葉が独り歩きした結果「牛乳賛美」への反発として「牛乳有害論」が生まれたのではないかと思っています。牛乳も他の食品と同じ「食品の1つ」で良いのではないでしょうか?。
 なお、ヨーグルトは乳酸菌が乳糖の20~40%を分解している上、乳酸菌が産生したラクターゼ(乳糖分解酵素)を含んでおり、チーズは乳糖そのものが除去されているので、乳糖不耐性による下痢は起こりにくくなっています。「乳糖の効果は分かるけど、牛乳を飲んで下痢をするのは嫌だ」という人でも、ヨーグルトやチーズは摂りやすいでしょう(消化しにくいがゆえの「乳糖の作用」は期待できませんが)。

 最後に……現在、牛乳有害論の1番の論客であろう、某海外大学教授に対し、乳業団体「J-MILK」が2007年3月28日付けで公開質問状を送りました。回答期日は2007年4月30日でしたが、同教授から「期日を延長して欲しい」と回答がありました。確か、某教授自身が期日を指定したのは夏の終わり頃だったと思うのですが、現在になっても回答はないようです。

 このブログの内容は、将来、私自身(兵庫県在住)が兵庫県内に開業予定の整体院のホムペに掲載する予定です(加筆・修正の可能性あり)。同じ内容の記事が載ったホムペを見つけても盗用ではありません(笑)。次回は、この話の補足記事を書きます。更新は1ヶ月ほど先になると思います。
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  1. 2007/10/25(木) 01:13:11|
  2. 身体・健康
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更新が滞っている件

応援メッセージを下さった方、ありがとうございます。更新が滞って申し訳ありません。書きたいと思っているテーマが以前から1つあるのですが、なかなか書けないでいます。今月中にはアップしたいと思います。元々、いい加減な奴なので、気長にお付き合い下さい(笑)。
  1. 2007/10/08(月) 22:40:42|
  2. 未分類
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